
認定NPO愛知排泄ケア研究会理事長
小牧市民病院泌尿器科
排尿ケアセンター部長
吉川羊子
_本年2026年度より本研究会の理事長を前任の後藤百万先生より引き継ぎました、吉川羊子と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
_愛知排泄ケア研究会は2002年1月に発足し、現在は認定NPOとして承認いただき、多くの皆さんにご参加・ご支援いただき活動を続けております。この研究会は、名古屋大学医学部泌尿器科の教授でもあった大島伸一先生、後藤百万先生の声掛けで発足しました。愛知県内の医療機関、高齢者療養施設、訪問看護ステーションなどに対して行った大規模調査により、多くの現場で適切な排泄ケアが行われていないという実態が浮き彫りとなったことが発端です。
_なぜ適切な排泄ケアが行われないのか?それは現場に働くみなさんが、決して排泄ケアに対して関心や意欲が無いわけではないのに、正しい排泄ケアの知識や技術を学ぶ場が非常に少ないことが当時指摘されました。そして、もう一つ重要なことが、「より良い排泄ケアを提供しよう」と考える方が、志を同じくする仲間をなかなか見つけられない、孤軍奮闘となりがち、という現場からの声でした。排泄ケアに関する学びと交流の場を作ろう、ということで誕生したのが本研究会です。
_大学の医学部が中心となってスタートした活動ですが、続けていく中で排泄ケアは決して医療・看護・介護の専門職だけのものではなく、広くすべての市民の皆さんの健康管理においても欠かせないものであることが痛感されています。できれば専門職以外のすべの職種、立場の方に共有していただきたいのが排泄ケアの知識です。本研究会はどなたでもご参加が可能ですし、また「愛知」の名前が冠されてはいますが、最近では各種の勉強会・研究会にはオンラインでもご参加が可能ですので、全国どこからでもご参加いただけます。
_一方で、より専門的な排泄ケアの知識や技術を身につけて、職場や地域での排泄ケアを引っ張っていきたいという方には「排泄機能指導士養成講座」がございます。すでにこれまで399名が排泄機能指導士の資格を取得され、様々な分野で活躍されています。

認定NPO愛知排泄ケア研究会相談役
名古屋大学名誉教授
JCHO中京病院名誉院長
医療法人生寿会かわな病院泌尿器科
後藤百万
_平成14年の創設から令和7年度までの24年間、本研究会の理事長を務めさせていただきましたが、令和8年度から吉川羊子先生が新理事長に就任されました。吉川先生は研究会創設当初から研究会の運営、企画、啓発、会員の教育の実務を担当していただき、本研究会の発展に貢献してこられました。まさに本研究会の顔である吉川先生が新理事長となり、研究会の益々の発展を期待しています。
_超高齢社会に突入した本邦では、「健康長寿」のキーワードの元、行政・民間で様々な活動が行われています。私たちが愛知排泄ケア研究会を立ち上げた当時は、排泄ケア向上を目指す活動は当研究会しかなく、社会の関心も低い状況でしたが、最近では排泄の問題が人間の尊厳にかかわる重要な問題であることが徐々に認知されつつあります。他方、適切なケアによる問題の解決はまだまだ難しいのが現実です。私自身は令和8年3月に中京病院院長を定年退職後、現在かわな病院で在宅医療に関わり、施設・個人宅の訪問診療に駆けずり回っているところですが、生活のなかでの排尿の問題の重要性と解決の難しさを実感しています。
_愛知排泄ケア研究会は名古屋市で初めて認定NPOとして承認され、豊富な経験・実績・ノウハウを有しています。新理事長のもと、本研究会は健康長寿の実現のために益々社会に貢献してまいります。私は昨年古希を迎え、後期高齢者に近づいていますが、できる限りの協力・支援を行っていきたいと思います。引き続きのご支援・ご協力、よろしくお願い申し上げます。

認定NPO愛知排泄ケア研究会顧問
国立長寿医療研究センター名誉総長
大島伸一
_我が国は、高齢化率、平均寿命、高齢化の速さで、世界一の高齢国、高齢社会を達成した。高齢者が増えるということは、排泄で困る人も増えるということである。今、尿失禁の人は1000万人以上と推計されている。きちんとした排泄ケアが受けられずに、オムツやカテーテルを装着している人はどれほどいるだろうか。
_愛知県では、2002年に、排泄ケアに関するあらゆる関係者が連携して、愛知排泄ケア研究会を立ち上げ、不適切なオムツ使用からの解放など、正しい排泄管理を目標にして活動を進めてきた。なかでも、排泄機能指導士の養成のための教育プログラム研修は、設立以来継続し、現在までに399名を認定した。
_この事業は、最初は、名古屋大学泌尿器科が愛知県の助成を受けて始めたものであるが、現在は、排泄ケアの社会的なモデルとして愛知モデル、あるいは名大モデルとして全国に知られるようになった。超高齢社会では、医療・介護を社会全体として、どのように受け止め支えてゆくのかが問われるが、愛知排泄ケア研究会の行っている事業は、超高齢社会での先駆的なモデルとして、高く評価されるものと信じている。