排泄機能指導士について

排泄機能指導士について

1.排泄機能指導士養成の背景

高齢者における排泄障害(尿失禁、便失禁など)は、極めて頻度が高く、直接生命にかかわることはまれですが、本人さらに介護者のQOLを阻害します。しかし、十分な評価や治療を受ける機会が得られず、安易なおむつ使用や尿道カテーテル留置を受けていることが少なくなく、不適切な排泄管理はADLの低下、寝たきりや痴呆の助長、治療機会の喪失につながっています。愛知では、官・民・学が連携した取り組みを行い、NPO愛知排泄ケア研究会、名古屋大学排泄情報センターを創設し、種々の事業を行っていますが、その柱のひとつに排泄機能指導士養成があります。

2.排泄機能指導士の意義と役割

排泄機能指導士は、排泄の問題を抱える方、特に高齢者における排泄管理やケアの向上のための専門的な知識・技術を持つ専門コメディカルとして、各職場や地域において、実際に適切な排泄管理やケアを行う以外に、介護系、看護系専門職あるいは家族などへの情報提供、相談、教育、介護者・看護者・一般医・専門医間の連携のコーディネートなどを行い、さらに尿失禁に対する骨盤底筋訓練の指導などの尿失禁に対する理学療法の技能も備えた専門職能としての概念を考えています。排泄機能指導士は、極めて社会的ニーズの高いもので、その養成は急務であると考えています。

排泄機能指導士の認定

排泄機能指導士は、今のところ公的な資格ではありません。指導士養成事業は、NPO愛知排泄ケア研究会、および名古屋大学排泄情報センターにより行われていますので、認定はNPO愛知排泄ケア研究会と名古屋大学排泄情報センターによるものとなります。

4.排泄機能指導士養成講座のカリキュラム

1回3時間、全部で10回の講習会を予定し、排泄に関する医学的側面、および看護・介護・理学療法的側面に関して9回の講義・講習、および1回の実習があります。各講習の講師は、泌尿器科医師、看護師、理学療法士など、各領域の専門家により行われます。名古屋大学医学部附属病院内にて月に2回程度、日曜日に行われるので、6ヶ月位かかります。

5.排泄機能指導士養成講座受講申込みについての注意事項

  • 応募される方は、「NPO愛知排泄ケア研究会」の個人会員であることが必須条件です。また通常の勉強会などの活動に参加していただいていることが望まれます。開催日程、カリキュラム、その他詳細については研究会やその機関誌において公報致します。
    認定後も当研究会の会員の更新がない場合は、本資格が失効となります。
  • 応募するに当たっての職種、職歴は問いません。
  • 受講は1回の講義が約3時間、計10回・30時間のカリキュラムで受講料は3万円とします。
    ※途中で受講を辞退された場合でも受講料の返金はいたしませんので、ご了承ください。
  • 受講希望の方は原則として全講義に出席可能であることを条件と致します。
  • 全講義が終了した後に、別の日程にて「排泄機能指導士認定試験」を行い、この合格者を排泄機能指導士として認定いたします。認定試験はご自身が取組んだ事例について「事例レポート」を作成・報告していただき口答試問形式で行います。試験において、指導士としての力量にまだ満たないと判断した方は合格認定が出来ませんので、その場合には翌年以降に再度認定試験を受けていただくことになります。
  • より多くの領域からの参加をしていただくため、 同一施設(あるいは会社、組織等)からの申し込みは最大2名までとさせていただきます。申し込み状況によって施設間の参加調整をお願いする可能性もありますのでご承知おきください。

※現在のところ、排泄機能指導士養成講座は、年に1回行っております。希望者が多い場合は、すぐに講習に参加していただけない場合もございますので、あらかじめご了承下さい。

4.排泄機能指導士養成講座のカリキュラム

認定NPO愛知排泄ケア研究会では、30時間の排泄機能指導士講習会に加え、主に、看護師を対象とした「下部尿路機能障害の排尿自立支援指導に関するハンズオン研修」を開催いたします。受講条件は、排泄機能指導士をすでに取得もしくは受講中の看護師の方になります。排泄機能指導士で本講習を修了された看護師については「排尿自立指導料」算定の施設基準として挙げられる所定の研修を受けた看護師として認定されます。(現在受講中の方は、10月〜11月に行われる排泄機能指導士の認定試験をパスして排泄機能指導士の認定書を取得しないと施設基準として挙げられる所定の研修を受けた看護師としては認定されません)。なお、本講習は認定NPO愛知排泄ケア研究会会員であることも条件となります。

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